大量のデータを安全な形で長期保管するためには、データの保護を考慮しなければいけません。データを保護するには、単純にデータをまるごと複製したり、パリティやECC(Error Check and Correct)機能に代表される、データを復元するための特殊な情報を付加しデータの冗長性を保つ手法などがあります。具体的には、以下に挙げるようなデータ保護手法があります。それぞれには長短がありますので、複数の手法を効果的に組み合わせてデータ保護強度を高めます。
RAID(Redundant Array of Independent Disks)
ディスクドライブ(HDD)に保管するデータをリアルタイムに冗長化することで、ディスクドライブの一部に障害が発生した場合でもデータ自身やデータへのアクセス性(可用性)を失わないようにする手法です。RAIDは、基本的に本稼働のシステム内で用いられるものなので、常に最新のデータを保持できます。ただし、人為的ミスやコンピュータウイルスなどによるデータ損失には対応できません。
スナップショット
ディスク内容の変更情報を保存する手法です。ディスク内のデータ位置を指し示すポインタを保存するだけなので、スナップショットの取得には数秒程度しかかかりません。また、多数のスナップショットを簡単に保管できるため、何世代にもわたって過去の状態にさかのぼれます。ただし、実データとスナップショットを保管するディスク自体に障害が発生したときにはデータを保護できません。
レプリケーション(筐体間ミラーリング)
データ全体またはその変更分をテープやディスクに対して定期的に保管する手法です。その多くは 1日1回程度という低い頻度で実行されるため、他のデータ保護手法と比較するとデータの鮮度は低くなりがちです。ただし、人為的ミスやコンピュータウイルスによるデータ損失など、多くの障害に対するデータ復旧で威力を発揮します。
バックアップ
データ全体またはその変更分をテープやディスクに対して定期的に保管する手法です。その多くは 1日1回程度という低い頻度で実行されるため、他のデータ保護手法と比較するとデータの鮮度は低くなりがちです。ただし、人為的ミスやコンピュータウイルスによるデータ損失など、多くの障害に対するデータ復旧で威力を発揮します。
この図の構成は信頼性を重視したデータ保護手法です。
図2.データ保護手法の種類
しかし、この構成では非常に高価なため、通常は、レプリケーションを除いたRAIDやスナップショットをベースにしながら、定期的なバックアップを組み合わせています。
次ページより、これらデータ保護手法の中で、今回は多くの障害に対するデータ復旧で威力を発揮するバックアップについて解説していきます。
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